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January 07, 2004
新年会

昨日は、ダンナの会社の新年会であった。10人強のスタートアップである。MITのcomputer scienceの教授がファウンダーの一人なので、若手のエンジニアの多くがMIT出身。上の写真の左から2人めのTimもその一人だが、ある必修のプログラミングのクラスで、毎年課題として出るプログラミングの問題の、歴史上最高点保持者だそうだ。出身はアラスカで、親は金鉱持ちとのこと。「金鉱」というと、日本語だとちょっと間抜けな響きだが、英語でHe has a gold mineというと、「金のなる木を持っている」みたいな意味合いになる。ので、本当にgold mineを持っている、というのはちょっとおかしい。

Timの「プログラミングクラス最高点」というのは、ちょっと色物的ではあるが、これ以外の社員では、もっとまっとうな学問的・起業的実績がある人が何人もいる。Silicon Valleyに免疫のない人は、こういうベンチャーを見て、「おお、すごい会社だ」と思ってしまいがち。だが、しかし、この手のベンチャーはゴマンとある。もちろん、こういうベンチャーでも、失敗する可能性はおおいにある。世の中厳しいのだ。

*****

年末の休暇で、もっていった本を読みつくしてしまい、宿のライブラリにあったMichael CrichtonのPreyを読んだ。シリコンバレーのナノテク企業を舞台にしたハイテクサスペンス。が、「えー、それは変だよ」と思わせるプロットのアラが結構あった。(が、それでも一気に読んでしまったのだが。さすが人気作家の力技です。)

「それは変だ」の原因は何か。多分、Michael Crichtonは、シリコンバレーのあちこちでインタビューしたのだと思うが、もしかして
「おー、ベンチャーとはこういうものか、すごいなぁ」
と思って、そのまま筆が滑ったのではなかろうか。

登場する企業は、2千万ドル(20億円くらい)をベンチャーキャピタルから調達しようとしているスタートアップなのだが、2千万ドルを集めようとしている、ということは、まだまとまった額の資金調達は1回か2回しかしていないはず。一流の人材を集めていても、やっぱりベンチャーはベンチャー。できないことはたくさんあるのだ。

が、しかし、Michael Crichtonはついつい「一般常識的にすごい大企業がすること」を小さなベンチャーにさせてしまっている気が。例えば登場する会社は、最新鋭の巨大工場を持っている。これから2千万ドル調達するベンチャーには、いくらなんでもそれは無理だと思います。

あと、主人公の職探しを手伝うヘッドハンターが登場するのだが、主人公氏とのミーティングで、すぱすぱタバコを吸い、その煙を主人公の顔に吹きかけるシーンがある。多分ハリウッドで俳優と、そのエージェントが会話しているのであれば、そういう情景はありうるのだろうが、シリコンバレーでは、まず絶対ありません。タバコを吸うだけでも気兼ねする土地柄。煙を相手の顔に吹きかけるなんて、殆ど犯罪行為です。

Posted by chika at January 07, 2004 09:50 PM | TrackBack
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