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January 20, 2004
大統領選挙とインターネット

昨日は、大統領選予備選の第一歩、Iowa caucusが行われ、人気一番と思われたHoward Deanは18%の得票で3位、もはや過去の人と言われていたJohn Kerryが38%で1位という意外な結果となった。「インターネットを最大限に活用した選挙活動で人気を集めたDeanが、テレビでの討論や広告など実体の方で不人気なことが判明」というのがアナリストたちの見解のようだ。

ちなみに、caucusといっても、なんのこっちゃ、という人が殆どであろう。私もそうだ。そもそも予備選ってなんだという感じなのに、さらにcaucus。
「民族衣装を着て銃を持ったロシア人が輪になって踊っている」
という謎のイメージが頭の中には浮かぶのだが、それはコサック兵とマイムマイムがごっちゃになっているのであろう。
(連想の流れ:コーカス→コーカサス地方→ロシア→コサック兵)

もとい、コーカス。一応アメリカで教育を受けたダンナですら
「Caucusはイマイチ変なシステムだからよくわからないんだよねー」
ということで、アメリカの選挙はえらく複雑である。

ごく簡単に概略だけ言うと、
1)大統領選では、まず党ごとに自分たちの推す候補者を選ぶ
2)選ぶために、州ごとに、個々の党が「どうやって選ぶか」というルールを決める
3)ルールには党員がみなで投票するprimaryと、党員がグループを作ってそれぞれのグループごとに決めるcaucusがある。予備選出だしのIowa州はcaucusルールを採用。(caucusはとても複雑。詳しくはNew York Timesの記事をご覧下さい)
4)いろいろな州で順繰りに候補者を決めていく。今回共和党は、現大統領のブッシュが候補者として決定済みなので決めるのは民主党のみ。民主党は、最後に大パーティーをして、
「XX州はYYさんを選んだー」
「おおおお(拍手拍手)」
みたいにワーワーと発表する、というパフォーマンスをして、党の候補者を発表
5)そして、異なる党の候補者同士に対する直接投票の本選が行われる
(上記、1月21日に少々訂正しました)

ということのようだ。かように、半年以上かけたお祭りが繰り広げられるのである。

さて、話題を呼んだDeanのインターネットを使った選挙活動だが、ウェブ上の募金活動で、4千万ドル、実に40億円超を調達した。

サイトはよくできていて、ビデオもあるし、非常に頻繁にアップデートされている。RSSフィードもできるようになっている。

募金ページはConvioという会社が作っている。Convioは、オンライン募金活動を専門にサポートということで、いろいろな会社があるものである。

通常大統領選の募金活動といえば、うん千ドルのディナーパーティーなどというのがメジャーだが、今回Deanは「小額を大勢から集める」という方法で多額の資金を集めた。この「小額を大勢から集める」というのは、選挙に限らず、ありとあらゆるビジネスで重要になっていくビジネスモデルだと思う。例えば、AppleのiTunesで一曲99セントで音楽が買えるというのもそうだし、誰かが広告リンクをクリックするたびにチビチビと広告料が課金されるGoogleのAdsenseAdwordsもそう。AmazonのAssociate Programのように、「本を売ってくれたらちょっとだけ販売手数料をあげる」という仕組みを導入して、世の中全員セールスマンにしてしまおう、というのも「小額×大勢」。

以前、MozartとMichael Jacksonと印税というエントリーで、「多額×少数」をクライアントとして、貧乏のうちに30代で死んだMozartと、「小額×大勢」で大金持ちになったMichael Jacksonを比較した。MozartとMichael Jacksonどちらが才能があるかはさてはおきつ、「多額×少数」から「小額×大勢」へとビジネスモデルが変わるということは、とても大きな変化なのである。

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ちなみに、アメリカの大統領選は面白い。全く政治に無関心な私ですら、フムフムとニュースを読んでしまう。直接選挙で国のトップを選ぶ、というシステムにドラマ性があるからだ。議会のマジョリティと大統領が違う党だったらどうするんだ、とか、いろいろ問題はあるにせよ、やっぱり直接トップを選べる、というのはエキサイティングである。

国民の人気取りが得意な人が選ばれるんじゃないか、という懸念もあるだろうが、それでもいいではないか。党の派閥闘争が得意な人より、国民の人気取りが得意な人の方がまだ信頼できると私は思います。

Posted by chika at January 20, 2004 11:07 PM | TrackBack
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